OODAループとは?PDCAサイクルとはどのような違いがあるのかや、思考について解説します。

OODAループとは? PDCAサイクルとはどのような違いがあるのかや、思考について解説します。その他

ビジネスの現場で初期研修で教えられる「PDCAサイクル」は皆さんはご存じでしょうか。Plan(計画)→Do(行動)→Check(確認)→Action(改善)ですよね。計画を練ってから行動に移し、その行動を確認して、よりよい方向に業務を改善していく、一般的なビジネスフレームワークですよね。こちらは以前にも紹介したので、よかったらその時の記事も読んでいただけると幸いです。

PDCAサイクルとは何か?ビジネスシーンで使用されるフレームワークを分かりやすく説明しました。
ビジネスシーンでよく使用される「PDCAサイクル」ですが、皆さんはうまくサイクルを回すことはできていますか?新人教育などで教え込まれたことは覚えていますが、忘れてしまった。。。という方に向けて、簡単に説明してみました。OODAループなどが出てきて古いフレームワークと言われますが、基本に忠実な考え方なので覚えておきましょう。
営業マン
営業マン

秒単位で状況が変わっていくので、計画を練る時間がもったいない。

このように思われる方が多くいらっしゃいます。実際、日本は欧米諸国に比べて意思決定や判断がかなり遅いと言われています。それは日本社会の基本的思考として、冒頭でも記載したようにPDCAサイクルを初期研修で徹底的に教え込まれるというベースがあるからです。

では、なぜ、欧米諸国は意思決定や判断が早いかというと、基本的思考として「OODAループ」というものを持っているからです。この記事ではOODAループについて解説をしていきます。

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OODAループとは?

OODAループ(読み方:ウーダループ)とはアメリカ空軍出身の「ジョン・ボイド(John Boyd)」という人が提唱し始めた考え方のことになります。元々は航空戦時にパイロットが臨機応変に戦術を変更する為に提唱された戦略と言われており、ジョン氏が「40秒もあれば形勢逆転できる!」ということで、実際に不利な状況下でも形勢逆転して続けたという逸話もあります。尚、彼のその強さの理由は「即行動に移す」という意思決定の速さにあります。

実際の戦闘であれば、1秒遅れたら命が無くなるともいいますから、それは即行動に移すかとは思いますが、それにしてもスゴいですよね。

ジョン氏が引退後、人間の意思決定に関する研究を行い、そこからビジネス、政治といった様々な分野に応用できるように考えられた戦略というのがこの「OODAループ」といわれています。

OODAループのご紹介

さて、「OODA」それぞれのアルファベットにも意味があるので、それらをご紹介していきますね。

Observe(観察)

OODAループの最初のステップは「観察」です。この段階で意思決定者が現在、目の前で行われている物事について、自身の主観を極力排除した生の情報をできる限り幅広く収取することが求められます。

当事者、関係性やパワーバランス、環境などといったところでしょうか。

Orient(判断)

Observe(観察)で収取した情報から、意思決定者のこれまでの経験や社会情勢などを基に分析して、自身が置かれている現状について整理した後、その後の方向性を設定します。尚、このOrient(判断)はOODAループで一番重要と言われています。

Decide(意思決定)

Orient(判断)によって整理した情報からこれから、自身がどのような動きを取っていくのかという方針を決めるステップです。尚、選択肢が複数ある場合はその選択肢を決めます。

Action(実行)

Decide(意思決定)で決めた選択肢で決めた行動を実際に行うステップです。また、その結果、状況が変化した際にはもう一度、Observe(観察)に戻って、もう一度、OODAループを回していきましょう。

OODAループが注目される理由

昨今は特にその傾向がありますが、現代は社会情勢をはじめ、ビジネス環境などが1秒単位で変化し、予測がつかなくなってきています。長期計画を行うような経営戦略や、生産ラインやシステム開発などには「PDCAサイクル」がぴったりなのですが、営業の場や、新規事業などのような流動的、そして臨機応変に対応しなければいけない業種・業界であれば「OODAループ」が合っているかと思います。

また、「OODAループ」は素早い分析力・問題解決力が必要になります。最初は遅くても大丈夫なのですが、これを続けていくうちにそういった分析力なども鍛えられると同時に経験値も増えていくので、何度もOODAループを回していきましょう。

ちなみに筆者が所属しているWeb制作業界でも、OODAループのように流動的かつ、臨機応変に対応する制作方法で「アジャイル開発」というものがありますが、こちらについては以下の記事をご覧になっていただけると幸いです。

システム開発の現場で耳にする「ウォーターフォール型」と「アジャイル型」について、分かりやすく説明します。
Web制作業界の現場でよく耳にするがあまり分かっていない「ウォーターフォール型」と「アジャイル型」について、どういった開発方法なのかや、どういったプロジェクトで採用するほうがいいのかについてご紹介していきますね。

分かりやすく当てはめてみよう!

いろんなブログでも同じようなことが書いているかとは思いますが、正直、説明文だけだとわかりにくいですよね。笑

そこで分かりやすいように料理で例えてみました。

料理編

Observe(観察)

これから梅雨シーズンに入り、買い物が面倒だと思います。普段でもめんどくさいのに・・・。さて、そこで冷蔵庫の中を見ます。この部分が「Observe(観察)」に当たります。

Orient(判断)

冷蔵庫の中にはひき肉、玉ねぎ、人参がありました。「ここから作れるのは「ハンバーグ」、「ボロネーゼ」、「ドライカレー」がこれで作れるな( ̄ー+ ̄)」という判断が出来ますよね。

Decide(意思決定)

「ここで何を作ろうか。うーん、簡単だしドライカレーかな!」と複数ある選択肢の中から作る料理を決めるステップになります。

Action(実行)

Decide(意思決定)で決めた料理を実際に調理するというステップです。そして、このAction(実行)が終わったら、明日の晩御飯を決めるためにまたObserve(観察)に戻り、OODAループをぐるぐる回すことになります。

世間のお母さんは毎日、ご飯を作る際にOODAループをぐるぐる回していたのですね。本当に感謝です。しっかりと感謝しましょうね。

まとめ

OODAループ自体が戦闘用の思考だったとご紹介をしましたが、このOODAループがいくつも描かれている漫画があります。それはみんな大好き「キングダム」です。

これも中華統一を目指す戦争の話になるので、至るところにOODAループがぐるぐる回っております。特に知略型の王翦と李牧の戦いなんて、まさにこれを勉強するのには一番いいのでは?というレベルですので、もし、まだ読んでいないよ!という方は是非とも読んでみてはいかがでしょうか。

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