2020年8月4日の14時ごろに吉村大阪府知事がこのような会見をされましたね。
大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長は4日の記者会見で、消毒効果がある「ポビドンヨード」を含むうがい薬が新型コロナウイルスの減少に効果が期待できると発表した。
吉村知事は「うそのような本当の話をする」と強調。市販のうがい薬を示し、府民にうがいを呼びかけた。記者会見の主な一問一答は次の通り。
吉村知事「うそみたいな本当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく。薬事法上、効能を言うわけにはいきませんが、コロナに効くのではないかという研究が出たので紹介し、府民への呼びかけをさせていただきたい。」
＜以下省略＞
吉村知事「うそみたいな本当の話」 うがい薬の使用呼びかけ、主な一問一答
https://mainichi.jp/articles/20200804/k00/00m/040/324000c
吉村はんがイソジンでうがいをしたらコロナに感染しても完治できるって言ってるけど、ほんとなの？
いや、そうでもないんですよね。これには深い落とし穴があるんですよ。前回、医薬品などに関する法律で薬機法というのをご紹介しましたよね。それにまつわる話にもなるので、含めてお話ししますね。
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薬機法とは一体？
日本には2014年に制定された薬機法 ( 正式名称は「医薬品、医療機器などの品質、有効性及び安全性の確保などに関する法律」 )という法律があり、医薬品や医療機器、健康食品を販売する際の広告はその効果や効能を厚生労働省が認めなければ、その記述をWebサイトや広告媒体に掲載したり、マスメディアなどで宣伝なども行ってはいけません。
というのも、医薬品や医療機器、健康食品などは身体に直接関わるものになるので、厚生労働省が身体に害がないものかをしっかりと確認しないと危ないですよね。
吉村府知事は薬機法を犯した！？
でも、イソジンって既に広告とか出されているから、厚生労働省の認可を受けたんじゃないの？何が悪いの？
実は「殺菌作用がある」という点に関しては許認可を受けているのですが、「コロナに効く」というのは認可していないんですよ。
今回、吉村府知事はイソジンに含まれている「ポピドンヨード」がコロナウイルスに効果的と言っていましたが、厚生労働省自体はコロナウイルスに効果的ということに関しては認可していません。その部分を認可をしていないのにも関わらず、吉村府知事が大々的に会見で発言をしてしまいました。
また、面白いことに14時ごろのニュースには「コロナウイルスのはイソジンが効果的！」というニュースであふれかえっていたのですが、それも一斉に削除されていました。
第六十六条
1 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000145&openerCode=1#1136
その理由としては上記の薬機法に関する記述をご覧いただければとお分かりですが、イソジンがコロナウイルスに効果的だと医療関係者ではないのに流してしまったのが原因です。
ちなみに吉村府知事が「イソジンでうがいをすると、口内のコロナウイルスが殺菌されるから効果的！」と仰っていますが、確かにポピドンヨードの効果で口内のコロナウイルスは殺菌されると思いますが、既に体内に入っているコロナウイルスには効果はありません。尚、これで危惧されるのが、PCR検査は唾液を採取して検査を行うのですが、イソジンでうがいをした後の唾液を採取してしまったら、体内にコロナウイルスが入っているのにもかかわらず、陰性反応が出てしまうかも？という恐れです。
怖い抜け穴ですね・・・。
イソジンを転売したら違法！？
この14時に「イソジンがコロナに効果的」というニュースが出た後、すぐに各地のスーパー、コンビニ、ドラッグストアからイソジンが消えました。マスクと同じように買い占めが起きてしまいましたね。
案の定、買い占められたイソジンがメルカリで大量に出品されていました。ちなみにイソジンは医薬品になるのですが、 医薬品医療機器等法第24条第1項にて、医薬品の無許可販売は禁止というのが記載されているので、転売した人には 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられるので注意してください。
まとめ
今回の吉村府知事の「イソジンはコロナウイルスに効果的！」というある意味、暴走してしまったことにより、様々なところでパニックが起きています。正直、マスクの時もこんなことが起きていたような気がするのですが・・・。
ただ、Twitterなんかを見るとこの薬機法について結構、ピンと来ていた人が非常に多かったのはびっくりしました。ちなみにこの薬機法を学ぶのであれば、登録販売士の資格を取得するのもありかもしれません。
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ちなみに僕はアンチ維新でもないですし、維新万歳でもないので・・・。
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